3回戦では宇田幸矢/木原美悠との同士討ちで完勝し、準々決勝に臨んだ張本智和/早田ひな。メダルをかけた日韓エースペア対決は苦戦も予想されたが、「はりひな」が圧巻の強さを見せてストレート勝ち、準決勝進出、メダルを確定させた。
第1ゲームは申裕斌のボールを張本が受ける打順。張本はフォアが思い切りよく振れており、得意のバックもストレートに厳しく突き刺さる。早田もサービスが効き、ラリーでも両ハンドのカウンターが冴えた。林鐘勲の強烈なチキータやドライブ、申裕斌の安定性も素晴らしくハイレベルなラリー展開となったが、よりアグレッシブに攻めたはりひなが1ゲーム先取。
第2ゲームは早田のチキータやレシーブが効いて林鐘勲になかなか強打をさせない展開。日本は出足の3本連取以降、リードをキープしながら、随所で張本が目の覚めるような両ハンドを叩き込む。打ち合いに強い韓国ペアに主導権を握らせずに、一気に勝負を決めた。
第3ゲームは序盤に韓国が4本連取も、日本が5本連取で逆転。張本のストレート攻撃、早田のサービスやカウンター、そしてサービス転換などの戦術面も冴え、接戦も予想された強敵相手にストレート勝ちで日本メダル一番乗りを果たした。
●混合ダブルス準々決勝
張本智和/早田ひな 3(8、5、6)0 林鐘勲/申裕斌(韓国)
張本の強烈なバックハンドが何本も相手コート両サイドに厳しく突き刺さった
韓国ペアもラリーになると強さを発揮したが、主導権を奪えなかった
張本 試合後コメント
「相手は強いので勝つのは簡単ではなかったですけど、昨日のシングルスと同じで1ゲーム目を取り切れたことで、その後の試合を優位に進められました。相手の女子選手(申裕斌)はフリックレシーブがあると思っていたので、そこを読めて狙い打ててから調子が上がっていきました。今まで一度もやったことのないペアで、動画では中国ペアに勝ちかけた試合なども見た。左利きの林鐘勲選手のパワーに対応しながら、申裕斌選手もミスが少ないので、ラリーで粘っていくしかないと思っていた。
体調はかなり良くなっています。昨日は中華料理を頼んでくれたり、早田さんのコーチの石田(大輔)さんもご飯を作ってくれたりした。みんなすごく心配してくれて、すごく回復できています。作ってくれたのは野菜がいろいろ入った坦々鍋です。(昨日のフレイタス戦後、右腕の前腕と、左足の太ももの前あたりと腰の付け根がつったような状態とコメント)。もともとつった感じなので、次の日には持ち越さない。多少硬さはありますけど、シングルスには影響がないようにしたい。
シングルスのメダルは取ったことがないけれど、ダブルスは取ったことがあるし、日本は金メダルも取っている。少しはうれしい気持ちもありますけど、最低限メダルひとつ目、ゴールはここじゃないという感じです。世界卓球でもオリンピックでも日本は金メダルを取ったペアがいるので、そこに並びたい。どんどんコンビネーションが上がってきて、ぼくのシングルスの地力もついてきて、今まで早田さんに負担をかけすぎていたけど、本来は男子選手がもっと頑張らないといけない。今大会は少しでも力になれているかなと感じている」
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