世界選手権個人戦・ダーバン大会最後の種目となった男子シングルス決勝。現在の世界ランキング1・2位の樊振東と王楚欽による一戦は樊振東が4-2で勝利し、見事2連覇を達成した。
●男子シングルス決勝
樊振東(中国) -8、9、7、10、-11、3 王楚欽(中国)
国際大会での対戦成績は樊振東の7勝2敗。静かな気迫と気迫のぶつかり合いでスタートした決勝戦、まず先制いたのは王楚欽だった。積極的な攻撃を見せて、樊振東の堅陣を次々と打ち抜き、まずは8点で王楚欽が1ゲーム目を奪い取る。
続く2ゲーム目も王楚欽がリードするも、樊東東が両サイドの厳しいコースのえぐり合いを制し、逆転で奪取。3ゲーム目に入ると、樊振東が的確なプレーで王楚欽のミスを誘ってゲームカウント2-1と逆転する。さらに4ゲーム目もジュースの末に制して王手。最後の1点を奪い、優勝まであと1ゲームに迫った樊振東は静かに左拳を握り締めた。
5ゲーム目も樊振東がリードを奪って試合を進め、10-5でチャンピオンシップポイント。しかしこここから王楚欽が追いつくと、そのまま13-11で逆転。窮地をしのいだ王楚欽が6ゲーム目に希望をつないだ。
王楚欽に流れが傾いてもおかしくはなかったが、それを封じたのは、怒涛の攻めを見せたディフェンディングチャンピオンだった。6ゲーム目に入ると、樊振東は一気にスパート。フォアの連打で王楚欽を攻め立て、序盤からリードを広げると、最後は10-3からチキータで得点を奪ってゲームセット。後輩・王楚欽の挑戦を真っ向から受けて勝った樊振東が堂々のプレーで世界選手権のタイトルを守り切った。
優勝の瞬間は大きなアクションはなく、小さくガッツポーツした後に、大いに沸く観客を静めるようなアクションを見せた樊振東。世界選手権2連覇も、あくまで通過点。その視線はすでに来年のパリ五輪のゴールドメダルに向けられている。
王楚欽は試合を優位に運びながらも逆転で落とした2ゲーム目が響き準優勝。シングルスで初の表彰台となったが、満足感は皆無だろう。今大会では混合ダブルス、男子ダブルスを制し、男子史上初の三冠がかかっていたが惜しくも届かず。また、中国史上初のサウスポーの男子シングルス王者誕生も次回以降に持ち越しとなった。
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