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世界卓球2023

2回戦で平野美宇と対戦するカウフマン。欧州女子、待望の新星か

ダーバン大会で、ぜひそのプレーを見てみたかった選手のひとりだった。ドイツの若き左腕、アネット・カウフマン。2006年6月生まれで、来月で17歳。しかし、メインコートのテーブル1で場内アナウンスとともに入場し、観客に手を振る姿にはすでに貫禄とスター性が備わっている。

長身のカウフマン、まだ16歳ながら女王の素質十分

2021年にヨーロッパU-21選手権の女子シングルス優勝、ドイツ女子チームの一員としてヨーロッパ選手権団体優勝などの成績を収め、「スポーツ大国」ドイツの「スポーツパーソン・オブ・ザ・イヤー」新人賞を最年少の15歳で受賞。今年2月の『WTTフィーダー デュッセルドルフ』では、準決勝で呉洋晨、決勝で徐奕と中国勢を連破して優勝を飾った。世界ランキングも2021年6月の初登場から、2年余りで65位まで上げてきている。

まだ身体能力は発展途上だが、前陣でのバックドライブは打球点が早く、右利きのフォアサイドを厳しく突く。ドイツの公共放送「ZDF」のインタビューで、「卓球界のロールモデル(お手本)はヤン・オベ・ワルドナーと丁寧」と語るように、バックのしゃがみ込みサービスやフォアドライブのスイングなど、丁寧を彷彿とさせるところが随所にある。

フォアドライブでの打球面の作り方は、丁寧を彷彿とさせる

ZDFのインタビューで、カウフマンは試合の重要な場面でのメンタルコントロールについて、「深呼吸をして、『今何が大切なのか』を考える。これまでの勝敗は関係ない。重要なのは今ここで最善を尽くして、そこから生まれる結果を受け入れること」とも語っている。昨日の1回戦では、経験豊富なハンフォー(カメルーン)にゲームオールまで迫られたが、最終ゲームの8−8から振り切って勝利した。

ベテランのハンフォーは、1・2ゲーム目を一方的な展開で落としながらカウフマンに食い下がった

今日の女子シングルス2回戦では、平野美宇と対戦。サービス・レシーブの精度やラリー戦でのコース取り、打球点の厳しさなど平野の優位は動かないが、興味深い一戦になりそうだ。

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