●男子シングルス4回戦
O.アサール(エジプト) 6、9、10、8 プツァル(クロアチア
リンド(デンマーク) 7、−7、9、5、6 張禹珍(韓国)
男子シングルス4回戦、世界ランキング30位のO.アサール、そしてなんと世界ランキング180位のリンドが快勝でベスト8進出。明日の準々決勝へ駒を進めた!
長身ながら、台からやっと顔が出るくらいの低い体勢でプレーするO.アサールは、オフチャロフをノックアウトしたプツァルの剛腕連打を、台から距離を取って何本でもしのいだ。特にバックの守りは驚異的に堅く、プツァルがしびれを切らしてフォアにコースを変えると、「待ってました」とクロスへのカウンターが飛ぶ。
観客から大きな声援を浴び、リードを許した3ゲーム目も逆転してストレートで勝利を決めたO.アサール。試合後のコートに、観客席で観戦していたアルナ(ナイジェリア)を呼び、アフリカ卓球界をリードしてきたふたりがコートで歓喜の抱擁を交わした。
一方、左腕のリンドは張禹珍の守備を完璧に打ち砕いた。交通事故で腰を骨折するという大怪我を乗り越え、2022年1月にはデンマークスポーツ界の「Nothing is impossible(不可能はない)」賞を受賞した苦労人。感情の起伏が激しい選手だが、勝利の瞬間は大きく吠えることはなく、「信じられない!」という表情でベンチコーチと抱き合った。前陣でのチキータとカウンターの切れ味は素晴らしかった。
そして韓国男子は、張禹珍の敗戦によって男子シングルスから全員が姿を消した。張禹珍のボールセンスは疑いようがないが、格下を相手にするとスマートにプレーしすぎて、かつて張継科(中国)に食ってかかっていったような気迫が出てこない。ベスト16は彼を満足させる成績ではないだろう。
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