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世界卓球2023

木原美悠、五輪女王と好勝負を展開するも惜しくも敗れる。初の世界選手権シングルスはベスト16で終戦

 女子シングルス4回戦、木原美悠はベスト8進出をかけて東京五輪女王の陳夢(中国)と対戦。昨年の世界選手権団体戦決勝でも2人は対戦しており、その時はストレートで陳夢が勝利している。

 3回戦終了後、4回戦について「サービスからの展開だったり、ミスをしても思い切りの良さを出してプレッシャーをかけていきたい」と話した木原は、その言葉どおり序盤からアグレッシブに攻撃を仕掛ける。コース、回転、長短のわかりにくい巻き込みサービスから、相手に時間を与えない早い打点でのバックハンド強打を連発。早いボールに対応しようと台から下がって山なりに返球する陳夢のボールを上から叩きプレッシャーをかけていく。1ゲーム目はアンラッキーなネットインなどもあり陳夢に奪われるも、2ゲーム目は戦術がうまくはまり木原が奪った。

試合序盤からバックハンドで積極的に攻めた木原

 

 2ゲーム目を奪われたことにより徐々にギアを上げ始めた陳夢。勝負どころでナックルロングサービスを使い3ゲーム目を奪う。だが、木原も負けていない。威力のある陳夢のボールを下がることなく前陣でさばき、両ハンドのスマッシュで陳夢を左右に揺さぶり得点を重ねゲームカウントを2-2とする。

1ゲームをとられたことでギアを上げ、より攻撃的になった陳夢

 

 第5ゲームから両者のギアはマックスに。木原はより早い打点でより強いボールを連続で打ち込みながら、時には横回転を混ぜたレシーブや表ソフト特有の球威を殺した変化球を織り交ぜるなどのクレバーさを見せて得点を重ねる。ただ、やはり五輪女王の底力は凄まじかった。ロングサービスを中心に試合を組み立て、得意のラリー戦に持ち込む。序盤は苦戦していた木原のボールにも少し下がって対応し、ミスの少ない安定したボールで確実に得点を積み重ねる。木原に上から叩き込まれないように、序盤よりもドライブの弧線をやや低くする徹底ぶりも見せた。最後の最後まで互角の勝負を繰り広げたが、5・6ゲーム目を連取した陳夢に軍配が上がった。

接戦となったが、最後は陳夢が木原を振り切った

 

 木原にとって初めてとなる世界選手権シングルスはベスト16で終戦。ただ、世界選手権という大舞台で、実力・経験ともに上回る陳夢とここまでの好勝負を繰り広げた木原の実力は本物。いずれ木原が中国を超え、日本に金メダルをもたらすことを予感させるような一戦だった。

 

●木原試合後コメント

試合前は1ゲーム取れたらいいかなという感じだったんですけど、結局2ゲーム取れて、相手にもプレッシャーをかけられたんじゃないかなと思う。満足いったと言ってはいけないんですけど、自分の中では良い試合だったんじゃないかと思います。

去年の世界卓球団体戦ではレシーブが全然ダメだったので、今回はそこに集中して、ラリーになったら粘るという気持ちだった。レシーブが一番難しかったです。陳夢選手のサービスは本当に読みにくいし、自分のサービスにもあまり困っていない感じだった。でもゲームを取った時は、レシーブがうまくいっていたし、サービスも結構うまくいっていたと思う。やっぱり駆け引きが難しかった。

ずっと同じタイミングでやっていたら陳夢選手は絶対ミスをしないので、変化や強弱をつけることを意識していました。今後勝つイメージとしては…やはりサービス・レシーブが一番大事だと思うし、相手もまた新しいことをやってくるだろうし。勝つイメージはまだ持てないですけど、研究しながらやっていきたい。

対中国選手の怖さというのは、正直ありますね。中国選手と聞くだけで「えっ?」みたいな。でも試合になったら勝たないといけないし、そんなことは言ってられない。負けたとしても、落ち込むことはあまりないです。落ち込んでいたら全然前に進めない。次のことを考えるだけです。それをいつも自分に言い聞かせています。

4回戦まで勝ち上がれて、すごく順調な部分もあったけど、初戦は難しさもあった。その初戦で勝てたのは少し成長したかなと思います。4回戦まで来て中国選手に負けて、1回でも中国に勝ちたいという気持ちがもっと強くなりました。今日の試合で2ゲーム取ったことは今後につながるかなと思います。次に他の中国選手と対戦した時も、今の思い切りの良さを忘れずに戦いたいです。

●女子シングルス4回戦

木原美悠 -8、7、-5、5、-7、-7 陳夢(中国)

4回戦を「良い試合だった」と振り返った木原。今回の経験を活かし、さらなる飛躍を期待したい

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