卓球王国 2024年4月22日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
世界卓球2023

世界卓球2023、開幕。先陣を切った吉村真晴が、世界シングルス初出場初勝利!

 本日520日、「2023年世界卓球選手権(個人戦)ダーバン大会」が、いよいよ開幕。28日まで9日間、熱い戦いが繰り広げられる。

 今大会、日本勢として先陣を切って登場したのが、若き日本チームにおいて最年長29歳の吉村真晴(TEAM MAHARU/WR150/上写真)。世界卓球個人戦には、過去4大会に出場、混合ダブルスでは石川佳純とのペアで世界チャンピオンにも輝いた吉村だが、いずれもダブルスでの出場。意外にも今大会が初めてのシングルス出場となる。

 初日セッション2(日本時間20:40)の試合となった吉村の相手はフィン・ルー(オーストラリア/WR162)。オーストラリアジュニア王者にも輝いた18歳で、同年のニコラス・ラムとともに、これからのオーストラリアの卓球界を担うホープだ。

※WR=世界ランキング(5月16日現在)

 本来は左利きながら右手でプレーしているというフィン・ルー。正統派の右シェークドライブ型で、ラリーに強く、フォアは威力も十分だ。吉村のチキータをパワーのあるフォアで狙い撃つなど、ルーも良いプレーを見せたが、得意のアップダウンサービスやこれまでにないバックサービスを含めた多彩なサービスを効かせた吉村が常にリードを保つ展開。第2ゲームはジュースにもつれ込んだが、吉村が12-11から、バックへのロングサービスを完璧に待ち、回り込んでストレートに打ち抜いて2ゲーム連取。第3ゲームもスコアは競ったもののジュースで奪う。4ゲーム目に入ると両ハンドの切れ味を増した吉村が、ストレートでルーを下した。終始、落ち着いたプレーを見せた吉村、自身にとって世界卓球シングルス初勝利、そして今大会の日本勢初陣としても良い形での白星発進となった。

●男子シングルス1回戦
吉村真晴 4(8、11、10、7)0 フィン・ルー(オーストラリア)

張本とのダブルスを見据えてバックサービスも試した吉村。変化は大きくないが低く短くコントロールしていた

フィン・ルーも果敢なフォアの攻撃が光った

吉村・試合直後のコートインタビュー
「今回初めての世界卓球(シングルス)ということで緊張していたけど、会場の雰囲気を知れて、次に向けて良いスタートが切れたと思う。パートナーが横にいなくて寂しいけど(笑)、個人としてしっかり準備をしたので、強い思いをもって臨みたい。楽しんでいます。このあとダブルスで張本選手と組むので、バックサービスも試した。(2回戦は)格上だけど、ここ半年で馬龍やカルデラなど大物食いは何度かしているので、絶対勝つという強い気持ちでコートに立ちたい」

試合後インタビュー
「緊張する感覚もなくて、ちょっと不安な初戦でした。相手も若い選手で、イチかバチかの攻めの一撃が多くてリズムが取りにくかったけど、試合が進むにつれて調整できた。今回は良い状態で試合に臨めているし、ぼく自身すごく楽しみにしてきた。次の試合からはシングルスもダブルスも中国選手で、かなり格上の選手になるんですけど、自分が積み重ねてきたものやこういった舞台での経験を試合にぶつけられるように準備していきたい。
(勝利後のコートインタビューでも言っていたが、バックサービスはダブルスも意識?)
そうですね、シングルスとダブルスは立ち位置も変わってくるし、ダブルスでの台上の待ちだったり、ツッツキへの待ちやチキータへの準備とか、そういったところは最後少し意識していました。必ず勝てるとは思っていたので、ゲームを取られても良いと思って試合をしていた。ボールはよく見えていたし、状態は良いと思います。
(こちらに来てから石川佳純選手の引退会見があって、2017年世界卓球の金メダルが思い出に残っているというコメントがありましたが)
ぼくもテレビ東京さんのユーチューブで会見を見ていて、感極まるものはあった。石川さんとは一緒に戦って成長させてもらってきたので、石川さんの言葉でそう言ってもらえたのはうれしい。ぼくにとってもあんなに気持ちの良いところで君が代を聞けるのは簡単なことじゃない。世界一になれたのはぼくの卓球人生でも誇りなので、石川さんと一緒に成し遂げられたのは素晴らしいこと。
初めての勝利なので、ちょっとあっさりしすぎて実感ないですけど、ぼくの中では次の試合のことしか考えていない。次も楽しく、自分の持っているものをぶつけたい。倒すつもりで戦わないと絶対に勝てない相手なので、絶対に倒してやるという気持ちと、表彰台に立つという強い気持ちを持って戦っていきたい。
こういう世界の舞台で日の丸をつけて戦わせてもらっているのは誇りに思っているし、ぼく自身もう一度頑張るという強い気持ちはある。自分のやるべきことを貫き通して、結果で皆さんにしっかり恩返しがしたい。お祭り男なので、先陣を切ったのはぼくにふさわしいなと思いますし、しっかり勝利で飾れたのはうれしく思っています。世界の舞台での日の丸というのは非常にうれしいですし、メディアの方々からの注目度も高くて、いろいろな方に見ていただけるのはモチベーションにつながっている。何かしら結果を出したいし、暴れたいですね」

 なおこの後も、吉村が戦ったTable2で日本選手の試合が続く。吉村に続き、女子シングルス1回戦、木原美悠(木下グループ)とシルバ(メキシコ)がスタートしている。

★世界卓球2023 現地リポート特設サイトはこちら

関連する記事