女子シングルス2回戦、平野美宇の相手は16歳のカウフマン(ドイツ)。事前の記事でカウフマンについて紹介しているが、ヨーロッパ女子としては久しぶりに現れた才能あふれる選手。結果から言えばこの試合でも柔らかいボールタッチから繰り出す台上技術とコースがわかりづらいバックドライブで平野から2ゲームを奪うなど、将来性を感じさせた。
平野は1ゲーム目は得意の伸びる巻き込みサービスを軸にしてカウフマンをレシーブから崩したが、2ゲーム目になるとそのサービスをカウフマンが上からのスイングで攻撃的にレシーブして奪い返す。平野は3、4ゲーム目にショートサービスで下回転と上回転を混ぜて3球目で攻め、レシーブではツッツキを深く送ってカウフマンにドライブで持ち上げさせ、それをカウンターで狙うなど戦術を変更して奪う。5ゲーム目は5−5からカウフマンの両ハンドドライブが入り出し、手がつけられない状態になった。
しかし、平野は動揺を見せずに、6ゲーム目は1ゲーム目で効いた伸びる巻き込みサービスを出だしで使ってリードし、下回転のロングサービスも使って再びサービスでカウフマンを崩した。若手の勢いを冷静な判断による戦術力で跳ね返した。
「(カウフマンとは)初めて対戦したんですけど、WTTでも見たことがない相手。若手で長崎さんや木原さん、(張本)美和ちゃんと同世代で、その3人からかなり強いということを聞いていた。昨日もしっかりビデオを見てきたんですけど、対戦してみて若手で活躍しているだけあって、すごく強い部分があった。でも最後はしっかり戦術を組み立てて、勝ち切ることができて自信になりました」(平野)
敗れたとはいえ、カウフマンはしなやかなスイングを持ち、サービスも女子では非常に珍しくYGサービス、バックサービス、しゃがみ込みサービスなど多彩。台上での平野のサービスの回転をしっかりと見てラケット角度を作るなど、天性の目とタッチを秘めている。そのプレーからは今後経験を積んでいくことで世界トップに立てる能力を秘めている。低迷が続くヨーロッパ女子にあって、カウフマンは希望の光となるだろう。
●女子シングルス2回戦
平野美宇 4(9、−4、4、4、−7、4)2 カウフマン(ドイツ)
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