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世界卓球2023

伊藤美誠、シングルスは陳夢にストレートで敗れてベスト8。故障の中挑んだ世界卓球が終わる

 女子シングルス準々決勝に挑んだ伊藤美誠は表彰台をかけて陳夢と対戦。故障もありながらここまで圧巻のプレーを見せてきた伊藤だったが、五輪女王の前に残念ながらストレートで敗れた。

 

●女子シングルス準々決勝
伊藤美誠 -7、-5、-5、-5 陳夢(中国)

 

 バック対バックから両ハンドで厳しくコースを突く陳夢の前に、伊藤は序盤から苦戦。1ゲーム目を7点で落とすと、2、3ゲーム目も奪われて後がなくなる。4ゲーム目に入っても伊藤はなかなか流れを変えられず、らしくないミスを連発。ロングサービスを多用してチャンスをつくりにかかるも、伊藤の攻撃も陳夢に跳ね返され、0-4でゲームセット。

 大会前の故障もあり、どれだけのパフォーマンスを見せることができるか注目された伊藤だが、今大会は1回戦から4回戦まで全試合ストレートで勝利と堂々の戦いぶりを見せてきた。しかし、最後は五輪女王の壁に跳ね返され、2大会連続のベスト8という成績で伊藤の世界選手権は幕を閉じた。

 それでも、試合後のコメントでは故障もあった中で、目標に設定していたというベスト8に進めたことは評価した伊藤。国内でのパリ五輪代表選考が続く中で、改めて進むべき道筋についても語った。

昨日まで快勝を続けてきた伊藤だったが、陳夢に屈す

厳しいコース取りで伊藤を封じた陳夢

 

◆伊藤美誠・試合後コメント

 昨日の試合(4回戦・A.ディアス戦)の疲労がきている感じがしました。あれだけスマッシュを打つことはないので、肩が少しヤバイなというのはありました。でも疲れているなりに頑張れたのはありますし、今日の試合も追いつきたい部分はありましたけど、陳夢選手のコース取りが厳しくて、それに追いつけるような体をもっともっと作り上げていかないとなと思いました。両サイドに振られた時に無理しないと追いつけなかったので、次やる時は無理しても大丈夫な体にしていきたい。

 痛みとかはほとんどないけど、疲労はあったなという感じで、それはみんな同じ。ここまで試合ができたことは良かったなと思います。まったく体を気にしないでやっていたらいける部分もあったけど、まずベスト8まで来ることが一番大事だと自分の中で思っていて、そこは無理してでもベスト8まではと思っていた。日に日に体、体調の部分は良くなってきているし、試合ができる楽しさはすごく感じました。

 ベスト8に入るか入らないかで違うのは自分でわかっていたので、ベスト8が目標でした。メダルを獲るか獲らないかは大違いだと思うんですけど、今回は故障もあったので、目標は1回でも多く勝つこと。ベスト8が一番の目標ではありました。

 これまでは日本の選手を相手にして戦ってきたけど、こうやって中国選手を相手にすると、日本の選手を目標にしてやっているよりは、中国選手を倒すことを目標にして、それで日本の選手を倒せるくらいにしていかないと自分のレベルが上がっていかないなと思って。東京五輪前はそうしてやってきたので、それが私の絶対な目標ではあります。中国選手を目標にしながら、どの選手にも勝つのが目標です。そういう目標の高さは大事だなと思いました。

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