●女子シングルス決勝
孫穎莎(中国) −5、8、7、7、−7、6 陳夢(中国)
東京五輪決勝の再戦となった女子シングルス決勝は、今回は孫穎莎に軍配!
孫穎莎、世界卓球3回目の出場でついに世界の頂点へ!
陳夢は2019年大会準優勝、孫穎莎は2021年大会準優勝。ともに世界卓球のシングルス決勝での敗戦の味を知るふたりの対戦。世界ランキング1位で同士討ちでも高い勝率を誇る孫穎莎が、最も相性の悪い相手が陳夢だった。切れ味鋭い両ハンドドライブが、陳夢の懐の深いバックハンドに包み込まれ、巧みな緩急からの速攻に失点してしまう。
今回の女子シングルス決勝も、1ゲーム目はバック対バックの攻防で優位に立った陳夢が先制。しかし、2ゲーム目から孫穎莎は陳夢のバックサイドをより速く、厳しく攻め、陳夢がたまらずフォアに回してきたボールを狙い打つ。
互いにサービスはフォア前やバック深くのロングサービスなど、多彩なコースに出しながら、主戦場はバック半面のバック対バック。そこでの力比べのような展開の中で、どちからが先に効果的にフォアやミドルを突くか。互いに決定打よりも相手のミスで得点を重ねていく、タイトなラリーの連続だった。
孫穎莎がゲームカウント3−2とリードした6ゲーム目、孫穎莎が4−0とリードしながら陳夢が4−4、孫穎莎が8−4と突き放してまた陳夢が8−6まで追い上げる。最終ゲームにもつれれば勝負はわからなかったが、この8−6で陳夢のロングサービスがネットを弾いてまさかのサービスミス。孫穎莎が10−6でチャンピオンシップポイントを握り、最後は陳夢のフォアへ鮮やかな連続フォアドライブを決め、その場に倒れ込んだ!
前回優勝のライバル・王曼昱がプレーに精彩を欠き、準々決勝で敗れる中、まずはパリ五輪のへのシングルスの切符を確定させたと言っていい孫穎莎。ビッグゲームでの優勝によって自信を備え、これから球史に名を残す選手のひとりになる可能性を秘める。中国から大挙して現地入りした応援団の大声援も、そのプレーを後押しした。強い強い新女王の誕生だ。
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