【全日本男子シングルス展望】前回V・張本智和と準V・戸上隼輔が優勝戦線をリードか。若手からベテランまで、幅広い年代に強者が揃う

2025.01.20

　1月21日から東京・東京体育館で開催される、天皇杯・皇后杯 2025年全日本選手権（一般・ジュニアの部）。卓球王国WEBでは今年も現地から速報をお届けしていくが、開幕に先駆けて各種目の戦況を予想していく。昨日の女子シングルスに続いて、男子シングルス。

　男子は前回大会決勝で死闘を繰り広げた張本智和と戸上隼輔の2人が優勝戦線をリード。ベテラン、中堅、若手とさまざまな年代に実力者が揃い、今大会も上位争いはなかなか予想が難しい。また、スーパーシード以外にも実力者が多く、序盤から目の離せない試合が続きそうだ。

【Aブロック】

　第1シードは前回大会で8度のマッチポイントをしのぎ、戸上をフルゲーム16-14という壮絶な試合の末に破った張本智和。パリ五輪では3種目ともメダルには手が届かなかったが、男子シングルスでは準々決勝で樊振東（中国）をあと一歩まで追い詰めるなど、その実力を披露。五輪後も積極的にTリーグ、国際大会に出場し、10月のアジア選手権では男子シングルスで頂点に立った。

　今年に入ってからもWTT2大会に出場し、WTTスターコンテンダードーハで優勝。連戦となったWTTコンテンダーマスカットでも準優勝と幸先の良いスタートを切った。6年ぶりに王者として挑む全日本で、自身初の連覇に挑む。

張本智和

　張本と同じAブロックには前回大会ベスト8の田中佑汰、全日本社会人を制し、Tリーグでも好調の有延大夢、クセ者の英田理志らが入った。ドイツでプレーする村松雄斗も侮れない存在だ。

田中佑汰

有延大夢

【Bブロック】

　前回大会3位の吉村真晴も31歳を迎えたが、まだまだ強い。Tリーグでも10勝4敗と安定して勝ち星を積み重ねている。

　その吉村の対抗馬となりそうなのが松島輝空。吉村と松島は順当に勝ち上がると、ベスト8をかけて6回戦で対戦となる。昨年6月のアジア選手権選考会で両者は対戦しており、その際は松島がフルゲームで勝利。松島はこれまでベスト16が最高成績だが、一気にブレイクを果たす可能性も十分にある。

吉村真晴

松島輝空

　松平賢二と高木和卓、2人のベテランにも注目。松平は35歳にしてアジア選手権選考会を制し、アジア選手権でもパリ五輪に出場した趙大成（韓国）を下した。36歳の高木和も全日本社会人で準優勝と健在ぶりを見せる。その他、Tリーグで林昀儒（チャイニーズタイペイ）を破った五十嵐史弥、豪打の横谷晟もこのブロックに入った。

松平賢二

高木和卓

　そして、このブロックはノーシードにも実力者が多数。2021年大会優勝の及川瑞基（岡山リベッツ）を筆頭に、曽根翔（T.T彩たま）、𠮷田雅己（Doream）、小林広夢（日本大）、町飛鳥（ファースト）、定松祐輔（日鉄物流ブレイザーズ）と過去にランク入り（ベスト16以上）を果たした選手がノーシードから上位をうかがう。

及川瑞基

【Cブロック】

　パリ五輪代表の篠塚大登は前回大会3位。今季のTリーグではリーグ2位の10勝と実力を見せており、今大会ではそれを越える成績を目指す。

　2020年大会優勝の宇田幸矢も調子は上々。一時期は故障に苦しめられたが、世界ランキングを29位まで上げてきており、日本リーグ、Tリーグでも堂々のプレーを見せている。

篠塚大登

宇田幸矢

　その他、前回大会ベスト16の小野寺翔平と吉山僚一、安定感の高い髙見真己もこのブロックへ。また、Bブロックと同様に、神巧也（ファースト）、木造勇人（関西卓球アカデミー）、吉村和弘（ケアリッツアンドパートナーズ）、龍崎東寅（ケアリッツ・テクノロジーズ）、鈴木颯（愛知工業大）など、ノーシードにも強者は多い。