あっという間に終わってしまった。そう感じたのは、私たちよりもコートで戦っていた張本智和と早田ひなの2人ではないだろうか。
昨日の準決勝で中国の若手ペアの挑戦を力でねじ伏せ、2大会続けて混合ダブルス決勝に進んだ張本/早田。決勝は2年前の世界選手権ヒューストン大会と同じ顔合わせとなり、日本ペアにとっては王楚欽/孫穎莎(中国)へのリベンジの舞台が整った。
両ペアの最後の対戦は2カ月前に行われたWTTシンガポールスマッシュの決勝。3-1で中国ペアが勝利したが、日本ペアにチャンスはあった。
決勝が始まる。1ゲーム目、6-6まで点差が離れない。早田、孫穎莎とも男子選手のボールをものともせずにカウンターし、自らの強打で男子選手から得点を奪うなど、混合ダブルスとは思えない迫力あるラリー戦になる。6オールから中国が4連続得点でゲームポイントを取り、そのままゲームを先取すると、以降は一方的な展開になってしまう。
2ゲーム目、日本ペアは良いドライブを打っているが、中国ペアはコースを読んでカウンターを浴びせる。中国ペアが6-0と大きくリードすると、強打を打ちまくり手がつけられない状態になった。
3ゲーム目は、3-3から中国ペアが5連続ポイントで8-3と離す。日本ペアが2得点で8-5になったところで中国ベンチがタイムアウト。中国はいつもタイムアウトを取るタイミングが早いが、ここで取るとは思わなかった。3-0で仕留めるためだからだろう。タイムアウト後に連続得点で中国が10-5とマッチポイントを握ると、最後は11-5。王楚欽/孫穎莎が混合ダブルス2連覇を達成した。
中国ペアは早田への巻き込みサービス、レシーブでは中途半端なチキータでは日本ペアに狙われることがわかっているため、チキータならば一撃、それ以外はストップで日本ペアの強打を封じた。そして、台上からは張本へのミドルを突くなど、張本/早田の対策を徹底していた。
王楚欽/孫穎莎の力が張本/早田を上回っていることは、これまでの対戦成績からも瞭然。だがこの決勝のスコアほどの力の差はない。事前の対策もお互いに入念に練っているはずだが、対策面で中国が上回っていたことと、それを完璧に遂行できる技術力の差が出た。
日本ペアとしては、なんとしてでも1ゲーム目を取って中国ペアにプレッシャーからの焦りを引き出したかったが、6オールからの連続得点されたのが痛かった。
張本、早田ともこのあとにシングルスがある。対戦相手はともに中国選手。この敗戦を引きずるような2人ではない。2大会続けての銀メダル獲得に自信を持って、メダル決定戦になるシングルス準々決勝に臨んでほしい。
●混合ダブルス決勝
王楚欽/孫穎莎(中国) 3(6、2、7)0 張本智和/早田ひな(日本)
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