●男子団体準々決勝
〈中国 3ー0 韓国〉
◯馬龍/王楚欽 5、9、5 趙大成/張禹珍
◯樊振東 7、ー9、9、6 林鐘勲
◯王楚欽 7、ー6、8、9 張禹珍
●女子団体準々決勝
〈ドイツ 3ー1 インド〉
◯ワン・ユエン/シャン・シャオナ 5、ー8、10、6 アクラ/カマス
◯カウフマン ー8、5、7、5 バトラ
シャン・シャオナ ー17、1、ー5、ー9 カマス◯
◯カウフマン 6、7、7 アクラ
大会12日目、8月7日のセッション1(現地時間10時試合開始)は、男女団体準々決勝の2試合が行われ、中国男子チームとドイツ女子チームが準決勝進出を決めた。
中国男子は、2月の世界卓球釜山大会(団体戦)の準決勝で2点を奪われ、大いに苦しめられた韓国との再戦。まず1番ダブルスは、2019年世界卓球優勝ペアの馬龍/王楚欽が趙大成/張禹珍を寄せ付けず、完璧な先制点を挙げる。
2番はシングルスの金メダリスト・樊振東と林鐘勲の強打者対決。中陣でのエネルギッシュなフットワークで動き回り、台から下げられても反撃を狙う林鐘勲。樊振東は先手を取りながら打ちあぐむ場面も見られたが、回転量のあるバックドライブを効果的に林鐘勲のフォアに集めた。回り込んで打つ一撃のパワードライブが強力な林鐘勲だが、早いタイミングでフォアを突かれるとカウンターが安定せず、ミスが増えた。4ゲーム目の10ー6で、ミドルへの連打から素晴らしい回り込みのシュートドライブを見せた樊振東が、3ー1で打撃戦を制した。
ゲームを落とすことはあっても、プレー全体の安定性が際立つ樊振東(Photo:ITTF/ONDA)
3番・王楚欽は、釜山大会のトップで敗れた張禹珍とのリベンジマッチ。互いに抜群のフットワークで、1本のラリーで何度も攻守が入れ替わるほど。張禹珍は回転量の多いフォアドライブで王楚欽のカウンターのミスを誘い、2ゲーム目を11ー6で奪ったが、王楚欽のプレーからは「ビッグゲームでの連敗は絶対にしない」という意地が感じられた。4ゲーム目の王楚欽10ー9のマッチポイントで、チキータをミスした張禹珍が笑顔で王楚欽と握手。中国が3ー0で韓国を下し、準決勝に駒を進めた。
張禹珍、パワフルかつセンスあふれる球さばきを見せたが、王楚欽の球威に及ばず(Photo:ITTF/ONDA)
王楚欽、すでに「ラケット破損事件」の影響を感じさせない、パワフルな攻撃を見せた(Photo:ITTF/ONDA)
そして衝撃的だったのが、女子団体準々決勝のドイツ対インド。バトラとアクラというバック粒高の「魔球手」ふたりを擁するインドが有利かと思われたが、カウフマンが両選手を完璧に打ち破った。カウフマンは身長183cmと長身のサウスポー。7月上旬のWTTスターコンテンダー バンコクで左のアキレス腱を断裂したハン・インのピンチヒッターとして、団体メンバー入りを果たした。
特筆すべきは、カウフマンのストレートに放つ両ハンドドライブの威力と安定性。ともにバックの粒高ショートだけでなく、フォアハンドも強いバトラとアクラだが、カウフマンのフォアストレートへの強力なフォアドライブはブロックすることすら難しかった。バックストレートのバックドライブも、粒高のショートを弾き飛ばす威力だ。
長身から放つカウフマンのバックドライブは威力満点(Photo:ITTF/ONDA)
4番でアクラに快勝し、全身で喜びを表した(Photo:ITTF/ONDA)
インドは3番で表ソフトや粒高に強いカマスが、右ペン表のシャン・シャオナの堅守を打ち抜いたのがせめてもの抵抗。ドイツ女子、ハン・インに続いてシングルスで腰を傷めたミッテルハムもチームを離脱し、カウフマンとPカードのワン・ユエンが出場するという非常事態ながら、驚きのベスト4進出。準決勝で日本女子と対戦することになった。実力的には日本が一枚も二枚も上手だが、勢いのあるチームだけに注意したいところだ。
シャン・シャオナの守備を打ち抜き、ドイツに一矢報いたカマス(Photo:ITTF/ONDA)
歓喜のドイツ女子、準決勝で日本と激突する4番でアクラに快勝し、全身で喜びを表した(Photo:ITTF/ONDA)
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