全日本卓球2023女子シングルス準々決勝、石川佳純は佐藤瞳のカットに対し、序盤は苦しみながらも4－1で競り勝ち、明日の準決勝に駒を進めた。
出足から声を出して自らを鼓舞した石川。5－2とリードを奪うも、佐藤が果敢な攻撃やロビングを交えてジュースで先制。続く2・3ゲーム目は石川が接戦を制してゲームカウント2－1に。
勝負となった第4ゲームは、佐藤が粘りのプレーで石川にプレッシャーを与えて9－5とリード。しかし石川は7－9と追い上げ、佐藤がタイムアウト。「タイムアウトあけから良いカット打ちができた。このままでは取られるから思い切ってやろうと思った」というように、一気に6本連取してゲームを奪った。
第5ゲームも3－6から怒涛の8本連取。佐藤の逆を突いて抜き去ったり、攻撃を待ってカウンターしたりと、読み切っての冴えたプレーも見せて、勝利を引き寄せた。
ミスの少ない丁寧なカット打ちを見せた石川
佐藤も「世界最強カットマン」の名にふさわしい動きの良さと鉄壁のカットを見せた。また、石川のフォアを厳しく突いた時は果敢に回り込むなど、積極的な攻撃も光った。非常にハイレベルなプレーは観客を魅了したが、万全のカット対策をして今大会に臨み、メンタル面でも充実を見せる石川を追い詰めるまでには至らなかった。
石川と好勝負を繰り広げた佐藤。6年連続でベスト8での終戦となった
●女子シングルス準々決勝
石川佳純（全農） -11、8、9、9、6 佐藤瞳（ミキハウス）
石川の記者会見コメント
「1ゲーム目はジュースで落として苦しい展開になったけど、2ゲーム目から切り替えて良いプレーができた。我慢して、ラリーで取られてもめげずに攻めていけたのが良かった。
佐藤選手はカットの質がすごく高く、良いボールを打っても戻る意識でプレーした。攻撃に対してブロックしたり打ち返したり、打たれっぱなしにならないようにした。自分がしっかり打てた時は変化が少なくなるので、そうなるようサービス・レシーブを工夫してできた。
今回はメンタルも技術もゆっくり準備できた。一般の部は20回目で、のびのびと自分が持っているものを出すようにしている。プレッシャーや苦しいことはたくさん味わってきたので、これからは自分のベストを尽くす、それだけです。これほど長く続けられると昔は思っていなかったので嬉しいし、周りの支えがあってこそなので、感謝の気持ちを忘れずに明日戦いたい。
（準決勝・早田戦について）7月のワールドツアーで負けている。アグレッシブに、自信をもってプレーすることが大事。自分のプレーをしたい。左同士でバック対バックの展開が多くなるので、いろんなパターンをもってやれたらと思う」
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